yellow
(いったい何年前のバレンタインの話だ)
と思う。
「カレールーをくれた礼だ」と言って
ギロロ先輩が急にラボにきて、仕事中だった俺の身体の自由を奪う。
普段、ラボにはいくかのギミックが仕掛けてあるが、
今日に限って、メンテナンス中で作動する気配もない。
椅子に腰かけたまま、無理やりに口づけされたあと、
両脚を持ち上げられ、
先輩は下半身へ顔を近づけていく。
濡れた舌を使った愛撫に、
「…ああ…」
耐えきれず声が漏れる。
(そもそもバレンタインデーの礼は3月14日のはずなのに、
なんて季節はずれで、むちゃくちゃな…)
と熱に翻弄されながらも強制される行為を理不尽だと思う。
そして、
「もうやめてくれ」
と何とか中断してほしいと拒絶の意志を伝える。
「カレーの礼だと言っただろう。遠慮なく受け取れ」
吸われたり、舐めまわされたりと散々感じさせられながら、
いつの間にか、冷たいラボの床に押し倒され
後ろの秘めた部分へ指が挿入される。
「いたい…」
「すぐ慣れる。我慢しろ」
中を何度かかき回され、痛みが徐々に快楽へと変わり、
「ああ…うん、ああ…」
声が抑えられない。
「いい声だな。クルル」
と言いながら、硬く熱い先輩自身が俺のなかへと入ってくる。
指よりも大きな凶器で貫かれ、
冷たい床の感覚も、どうしてこうなったのかその理由も
何もかもどうでも良くなるほどの痺れが全身を襲う。
「ギロロ先輩…」
ただ名前を呼び、背中に縋りつきながら、
導かれるままに頂点に昇りつめていく。
「もう…ああ…」
強い揺さぶりのあと、
傷のある赤い男の腕のなかで、俺は白濁したモノを吐き出し、
蕩けそうなほどの官能的なキスを最後に自らの意識を失った。
end
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もっと別の話を考えていたのですが、それはまた後日書きます。
5月14日はお隣の国でイエローデーということで、黄受けです。
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