〜 バラが刺の中に咲くように 〜






地球へ向かうグランドスター内のケロロ小隊ルーム。

今夜は何人かの小隊長を集めて互いの親睦を深めるためだとかいうイベントが開催されることになっていて
そのメンバーに組み込まれたケロロはタママを引き連れて参加していた。
ゼロロは、何かトラブルが発生した時にすぐに対処ができるよう、
グランドスター内部をできるだけ把握したいと言って夜になると一人で、あちこちを見回っているようだった。
そして、まさに先ほど、部屋を出ていったところだった。

小隊ルームの備え付けの3段ベッドにはクルルとギロロ二人だけが残されていた。

監視はそこそこされているものの、
さほど拘束感は無<、割と自由にすごすことが出来るグランドスターでの日々。

しかし、今まで毎日身体がヘトヘトになるまでトレーニングなどをしていたギロロなどにとっては、
機内に用意されている程度のトレーニングマシーンによる運動などでは到底疲れ果てたりすることも無<、
なんとなく身体に気だるさが残ってしまう。

快適な睡眠は適度な運動と食事によってもたらされる…
ギロロには適度な運動が不足していた。
そして、その摂理のごとく、疲れていない身体は休息を求めているわけではないので
就寝時間になってもなかなか寝付けないでいた。

ゴロンゴロンと何度も寝返りを打つ。

…― 寝苦しい…くそぅ…ストレスが溜まって仕方が無い…―

そう心の中で愚痴をこぼしたとき、ベッドの外からクルルの声がした。

「ギロロ伍長、わりいけど…ティッシュ持ってたら貰えねえ?」

「ああ、一応あるが…残り数枚しかないぞ、それでいいか?」

そう言って、ギロロはカーテンの端からティッシュボックスをクルルに手渡した。

「構わねぇよ。サンキュ。」

クルルはそう言って受け取るとカーテンを閉めた。

「…。」

再び横になり目を瞑ったギロロが、とろとろとまどろみ始めると、
頭上からギッ、ギシッ…ギ…と台がきしむ音がして眠りの淵から引き戻された。

『…ったく、何をやっとるんだ?あいつは…。
共同空間だって言うことがわかってない…これだから現場を知らんヤツってのは…』

ギロロは上の音が気になって仕方がなかった。その上、寝付けないことで多少イライラしていたギロロは

「おい、クルル曹長!何をぎしぎしやってるんだっ!」

そう小声で怒鳴りながら上段のクルルのベッドのカーテンを開けて中を覗き込んだ。
すると、こちらに丸く背を向けたクルルが、はあはあと荒い息をして微かにその肩を震わせている。
ギロロは、慌ててクルルのベッドヘ飛び乗ると

「お、おい、大丈夫か?気分でも悪いのか?」

そう言いながらクルルに近寄り、その肩を掴んでぐいっと身体をこちらへ向かせ…

「うわっ!!」

思わず絶句するギロロ。
クルルは自慰行為の真っ最中だった。

「おまっ…あ、いや、そのすまん…」

ギロロは慌てて掴んでいた肩から手を離し、しどろもどろになって言った。

「…ギロロ…伍長…なんすか?突然他人のベッドん中まで来て…
ククッ。なに、アンタそ−ゆー趣味あるんだ?」

ギロロの言葉など一切聞いていないふうで、クルルは続けた。
軽く勃起したそれが示すように、クルルの語気には若干切羽詰ったような感が含まれていて
なんとな<押され気味になるギロロ。

「馬鹿なことを言うな!俺は貴様の具合が悪いのかと心配してだな…」

「別にイイっすよ…あ〜、でもまあ、わざわざココまで来たんじゃ、手伝ってもらうとするか」

「手伝う?何を手伝えというんだ?」

怪訝そうな表情をしたギロロに向かってクルルは
自分のモノを掴んでいた手をその形のまま顔の高さまで上げると目の前で上下動かし、その動きをして見せた。

「ふっ…ふざけたことをいってるんじゃない」

憤慨した様子でそう言い捨て、ベッドを出て行こうと背を向けたギロロの腕をガシッと掴んだ。

「なっ‥・!」

「ふざけてなんていないぜ?俺様のこんなトコ見ておいて、そのまま戻るなんてさせるはずねーだろ?

「何を言っている!貴様が勝手に一人でしていただけのことだろうが!俺には関係ない!」

そう言って腕を振り払おうとしたが、ギロロの腕を掴んだクルルの手は、
いつものへらへらとした様子からは想像できないほど強い力で、そう簡単に振りほどくことが出来なかった。

「確かにシてたのは俺様の勝手だが…勝手にココまで入って見に来たのはアンタだろ?
こんな、めちゃくちゃプライベートな部分を見られたんだ、それなりの責任とってもらわなきゃ割に合わね−よ。」

「責任…って…そんな…」

困ったような声を出すギロロ。

「まあ、安心しなって。別に突っ込ませろってわけじゃね−。ただ、ち−っとばっかり手を貸してもらえりゃいいからよぉ。」

「そう言ってクルルはギロロの手をグイッと引っ張り自分のモノを握らせた。

「ばっ…貴様、何を!!」

ギロロに握らせた上から覆うように自分の掌を添えてクルルが言った。

「そのままでイイっすよ。俺が自分で動かすから。他人の手の感触が欲しいだけだ。

「〜〜〜っっ!!」

クルルはギロロの手を使って自分のモノを扱き始めた。
ゆるゆるとなぞる程度の刺激。
自分の意志で動かしているわけではないといえ、他人の性器をこんな風に握って扱いているなんて、
ギロロは自分の行為が、とてもばかばかしく滑稽でおかしく思えクラクラと眩彙がしそうだった。
そう思うと、緩急変化無くただ擦っているだけのようなクルルの力加減と速度がかえってもどかしく思えてた。

…こんなばかばかしい行為さっさと終わらせてしまうに限るっ!

そう思い直してギロロは、自分の意志でクルルのモノを握る手にギュッ、っと力を込めた。

「あっ…んだよ、急に…力入れんなって…ナニ、急にノリノリになっちまったってか?ククッ…ッ…んあっ…」

「…こんなまどろっこしい刺激でトロトロしてんじゃない。さっさと出して終わらせてしまえ!」

そう言ってギロロは、握る手に力を込めたまま、速度を今までの倍ほどにして扱き出した。」

「バッ…!そんな強く握って、馬鹿力で扱いたりしちゃ…あ、あ、ああっ……」

ピチュッ…

と小さな水音がして、ギロロの手がぴたりと止まった。
その手の中では、クルルのモノがピクンピクンと少しだけ脈を打った

「…っ、はっ…はあ…はあ…馬鹿がっ…出ちまっただろ一がっ!」

クルルは自制する間も与えられず、ギロロの手だけの刺激で精を吐き出してしまった。
強引な刺激で、無理やり吐き出させられたクルルは酷く不機嫌な口調だったが、
ギロロもそれに負けない程に不機嫌な口調で言い返した。

「…貴様っ…出すなら出すって先に言えっ!!」

「…あ?」

「貴様の…が、かっ…顔にっ!!」

クルルの放った精液は丁度ギロロの顔面に向けて放出されたようだった。
クルルは予想外の展開に、唖然として可笑しくなった。

「ククッー…なんだよ、アンタ面白すぎるぜぇ…なんでまた丁度良く…クックックッ…可笑しくって腹イテーよ…」

そう笑って言いながらクルルは、自分の先端に残っていた液をティッシュで拭き取った。

「クソッ!オイ笑ってないで俺にもティッシュよこせ!」

手を伸ばしたギロロだったが、

「あ。わり。これで最後だわ。」

そう言ってクルルは、自分のを拭いた残りのティッシュ<最後の一枚>でちーん、と鼻をかんで見せた。

「のわっ!なんだとっ?!貴様…こっ…この、貴様のコレはどうしろと…!!」

真っ赤になって自分の顔を指差して怒っているギロロを、クルルはとても面白いものを見ている様子で言った。

「わり−わり−…ククッ…そうだよなあ…そんなモンつけたまま部屋出たりして誰かに見つかりでもしたら…
ククッ…俺様の精液が顔にかかってるなんて言えね−よな…ククッ…」

「貴様、笑ってないでなんとかしろっ!」

まったく悪びれない様子のクルルに怒り心頭なギロロ。
そんなギロロがことさら可笑しくて堪らないクルル。

「はいよ。んじゃま、ほれ、じっとしてな。」

そう言ってクルルは、ギロロを引き寄せると、ギロロの頬を…頬に付いた自分の精液をペロリと甜め取った。

「んぎゃっ!なっ…なっ…なんだっ!貴様!!」

「仕方ねーだろ−がー。拭くモンがね−んだからよお。ほらおとなしくしてろっての…。」

クルルはギロロを抱きしめると、もう一度頬をぺろりと砥めた。

「いっ…やっ…やめろっ…くそっ!!」

じたばたとしたギロロだったが、がっしりと抱き締められて、その腕から抜けられない。
そうしながらもクルルは、ギロロの頬をぺ口ぺ口舐め、唇の淵を丁寧にゆっくりと舐めた。
それから、あごに残る液を音をたてて吸うと、首筋から伝って落ちた跡を追うように舌を這わせる。

「貴様…ちょ、もうやめ…」

クルルの舌がギロロの身体を嘗め回す感触が、背中からゾクゾクとせり上がってきてギロロの息が少しづつ乱れる。

「んっ…ああ…あっ…」

「…んだよ、その声。ヤラしいな…その気になっちまったってか?ククッ…」

「そ、そんなこと、な、いっ…んっ…っ…」

「一度くらいならヤらせてやってもいいぜぇ?…っと…ん?もしかしてアンタ…?」

クルルが笑いながらそう言って、指でギロロの後孔を触れると、
ギロロのソコは一瞬ピクリとしてからヒクヒクと反応をした。

「…ふうん、戦場の悪魔なんて二つ名を持ってるくらいだからてっきり突っ込む方かと思ってたが…
ククッ…おもしれぇアンタ…ネコかよ…いいぜぇ、癖になるほどヨクしてやるよ。せいぜいイイ声で鳴けよ…ククッ…」

後孔を指の腹でくるくると揉むようにしてほぐしながら、クルルは自分の指をゆっくりと埋め込んでいった。

「やめ…あ、あ、ああっ‥・!」

面白い玩具を手に入れた子供のように楽しげに笑うクルルの腕の中で、
与えられる快感に頭が庫れ始めて、ギロロのその瞳はゆっくりと閉じられ、身体ごと闇に溶けていった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


end

2009.5.29


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saraさま。
裏開通おめでとうございます。
遅くなってしまってすみません。お祝いSSを引っ提げて参りました。
リク頂いた、【ケロゼロでクルギロ】
…どこが?って感じでなんとも申し訳ないですが
クルルが『センパイ』ではなく『ギロロ伍長』と呼んでいたりする辺りで
なんとなく努力の跡(?)を組んで頂けますと非常に…その…あうあぅ…(汗

いつもとなんら変わらないエロでなんともかんとも…ですが
ご笑納いただければ嬉しい限りです。
これからも宜しくお願いします♪


タイトルの【バラが刺の中に咲くように】とは
詩人:エルンスト・アルントの『バラが刺の中に咲くように,恋は怒りの中に咲いて燃える。』
からの引用です。

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「まいまいも一軒の主」の綾川まい様より裏開設記念にいただきました♪
まい様の書かれるクルルがエロカッコよくて大好きです。
ウイルス対策のためしばらくUPを控えていたのですが、
こんな萌えな作品を独り占めって何だか…って感じで、ずっとUPしたかったのです。
初々しい二人のやりとりとか、「ケロゼロ」な雰囲気がとてもいいです。
まい様、本当にありがとうございました。

  
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