メリクリSS



<イラストあるので注意>

毎年、クリスマスになるとうるさいコイツがやってくる。
しかも今年は1か月も早く来て、
「クルル曹長、遠征のお土産持ってきました、
宇宙若草と宇宙どじょうパイです」
「それは『宇宙うなぎパイ』の間違いだろう」とツッコミを入れると
「何言っているんですか、これはどじょうのエキス入りの
正真正銘の宇宙どじょうパイです」
と胸を張って言われる。そういえば全宇宙各地に似たようなパイがあった気がしてきた。
「どれから食べます? 地球人と違って我々ケロン人は食べても太らないから
いいですよね」
そう言って、お土産の袋を開封し始める。
まったく、こんな甘いものばかり買ってくるなと言いたい。
「そうだ、少し早いけど、クリスマスプレゼントも持ってきました。どうぞ」
そう手渡されたのは黄色のリボンに包まれた箱で、
多少うんざりしながら開けると中から、新型のIPDが出てきた。
「持ってるし、これ、しかも紫かよ」
「なかに私のオススメ曲をダウンロードしてあるんです。聴いてください」

しぶしぶイヤフォンをつけて、聴く。
「へえモーツァルトなんか聴くんだ」
「クラシックが一番落ち着くと思うでしょう?」
「悪くはないけど、気がすんだら帰ってくれ」
「ちょっと、クルルからのプレゼントは?」
「まだクリスマスには1か月あるし、来月きてくれ、用意しとっくから」
「わかりました。じゃあ1か月後に」
そう言ってガルルは帰っていた。

そして12月後半…。
「クルル曹長、プレゼントもらいに来ました」
「げっ」
「げって何ですか?」
「もしかして用意してないんですか? ひどい。去年も一昨年も忘れていたじゃないですか?」
しまった。このオレサマとあろうものが、今年もすっかり忘れてた。
あの時、あまりにうざいんで、適当言ったのがホントまずかった。
「あっ、用意してあるからちょっと待てな」
とりあえず、平静を装い言うと、優秀すぎる自分の頭脳を駆使して、対応策を考える。
こんな時、オレサマがつくづく天才で良かったと実感するぜ。

一枚のカードを転送し、渡す。
「俺のプライベートルームのカギだぜ。そこのドアから入れる。仕事が済むまで、
そこで待っててくれない?」
「わかりました」
俺のプライベートルームはケロロ小隊もガルルも入ったことのない完全な自分一人専用の部屋だった。
そのカギを渡すのはそれなりに躊躇いもあるけど、プレゼントを用意してないと言うよりマシで、
背に腹は代えられないといった心境だった。

「待たせたな」
自分しか入らない空間に他人がいる違和感はぬぐえないが、
それでも、コイツなら許せるかなと思ってしまう。
小さい6畳ほどの部屋には一人用のベッドとスチール棚に小さいオーディオセットだけが置いてあった。

「そのカギが去年と一昨年分のプレゼントだぜ」
そう言って、ベッドに腰かけているガルルの隣に座る。
「じゃあ、今年のは?」
と聞かれ、
「もちろん、俺さまだぜ」


そう言ってガルルの頬に軽く唇をつける。珍しく積極的な俺に動揺しているガルルの
上にのるようにベットに押し倒す。
秘密を打ち明ける子供のような小さな声で耳元に囁く。
「受け取らないわけないよな」
「もちろん、喜んでいただきます」
ガルルの右手が俺の頬を撫でるようにかすめ、それだけで体に熱が入ってくるのがわかる。
お互いの顔をずらし、唇を貪るように求め合った。



上からガルルのモノを自分の後孔にあてがいながら、
ふと、そういえば付き合いは長いのに騎乗位でするのは初めてだと思う。
いつもコイツが一方的に欲情して、それを受け入れることが俺達の行為の全部だった。
これまで付き合いを想いながら、ゆっくりと狭い部分を押し広げる痛みを耐え、自分のなかにガルル自身を受け入れる。
その大きさに慣れた頃、
リズム良く腰を揺さぶると徐々に悦楽に溺れそうになる。そしてもっと深く、もっと激しく欲しいと貪欲に感じ始める。
自分で自分の内壁の感じる場所を探るように角度を変えると、
例えようのないほどの刺激を感じ、限界が近づくのが分かる。
「もう、イク…」
擦れた声でそう言うと、今まで大人しく受動的な態度を続けていたガルルが急に起き上がり、
俺のなかに入っていた自身を抜く。

「かわいいですよ、クルル。これ以上のプレゼントはないですね」
と言い、バックから抜いたモノをもう一度、ゆるゆるの後孔に押し入れる。
「ああ…あ、ガルル」
待ち焦がれた快楽に、我慢できず精を吐き出し、
自分のなかのガルル自身も同じように達し、熱いものが勢いよく注がれるのを感じた。


目が覚めると隣にガルルの姿はなく、
ベットサイドのテーブルに、
-来年も同じプレゼントで-
と書かれたメモが残されていた。
「冗談じゃない」
と思いつつ、鈍く痛む腰を庇いながら、寝がえりをうつ。
一瞬、隊長に頼まれた本部に出す仕事が頭に過ったが、無視して目を閉じる。
先刻の激しい行為で疲れた体を癒すため、
さっきまで隣にいた紫の男のことを思い出しながら、俺は再び眠りにつくことにした。



end
  
  
*****************

ガルクルwhiteの続きを書こうとしてて、行き詰ったので、突発的なSSを 書いてみました。

戻る